コメントさんへの回答です。 [私の日記]

素朴な疑問さんよりコメントを頂いていました。新しい市議会の構成が決まるまでもう少しです。
ご返事遅くなり申し訳ありません。
さて、下記のご質問に回答させて頂きます。

1.市立大学の赤字補填で福知山市が許容できる累積額は何億円ですか?
  また、限度に達しそうになった場合、募集停止などの整理に向かうことになると思いますが、そこから何億円  の支出が見込まれますか?

2.セーフティネットというよりか、これ以上は取り返しがつかなくなるというレッドゾーンがあるはずですが、これ
らはきちんと議論されているのでしょうか?

回答
1.について
現時点で許容できる数字は明確には示せないと思います。ただ、不可能と思いますが、定員100%の場合次期6年の中期計画では黒字に転換するとなっています。確かに、将来的に国からの補助金(運営交付金:地方交付税と同様の取扱)だけで大学の運営ができるなら存続の可能性はあります。しかし、現成美大学の授業料が年100万円。それが、公立化すると半分になります。ですから、行政が示す100%案を達成できないと苦しい運営になり、行き詰ることになると思います。
結論、明確な一般会計からの限界補填額は示せないですが、将来、黒字化するかどうかが大きな問題と考えています。私は、無理と結論付けていますが。

また、運営に行き詰った時のことですが、これも東京の堀越学園ではないですが、文科省で直接聞かせてもらいました。回答は「募集停止をかけ、新しい1年生を入学させないで、3年かけて学生を卒業させる場合と、現在少子化が進行する中で、新設の大学の認可が難しくなっています。そこで、どこか民間で大学を欲しいところがあれば、売却することも可能」との事でした。しかし、地方自治体で民間売却した例はあまりありません。民間委託はありますが。「自治体の事業に対するプライド」と言いますか?自らの失敗を認めないところがあります。確かに、失敗した事業に「市民の税金」を投与したとなると、その市政は失脚すべきとの烙印を押されることになりますから。
結論、募集停止をかけて大学を清算する場合、現成美大学での試算では約6億円かかるとの説明を受けました。ですから、公立大学でも同等かそれ以上の費用が必要でしょう。一方、民間売却ならむしろ時価額以上で売却できる可能性があると思います。全てのプライドを捨て市民のためを思うなら決断すべきと思いますが。

2.様々な執行部からの圧力がかかった今回の選挙でした。明確に「公立化反対!議員定数削減!」とアピールした候補者は想像以上の票を取りました。議会内部で、特に4年制大学検討委員会では議論を重ねましたが、政治的に押し切られそうになっています。地方自治体の「長」の権限は絶大です。
その権限を持った3割自治体(4割り自治)を国は地方交付税や様々な補助金、特別交付税、更には許認可権限でコントロールしているのが、今の日本と思います。間に都道府県(福知山市の場合は京都府で山田知事)が入り、更に市町村をコントロールしやすくしています。
議論を議会内部で繰り返しても、正しい道筋に向かないことが多いと思います。政治の世界の「イヤ」なところと言えるでしょう。

簡単な回答でお許し下さい。
私は、今期は無役になり、今後の市議会、福知山市の将来を見据えることにします。
今後ともよろしくお願い致します。

市議会選挙も終って [私の日記]

4月26日に福知山市議会議員選挙が執行された。残念なことに私の所属する「福政会」から2人の落選があった。幹事を務める者にとっては辛いことだった。一方、私の選挙は、実に和やかな雰囲気の中で進めることができた。歳相応と言うことで、期間中の街宣車は、午後5時で終わり。後は空選車に任せた。
そもそも、一般的には告示日に当落はほぼ決まっていると前から思っていた。確かに、私が直接電話作戦に加わったりして、何票かの票の掘り起こしはできるが、決定的なものではない。特に5選ともなると地域も選対も気が緩む。ただ、何となく当選するかな??程度の気配は感じていたが、開票場に出向いてくれていた役員の望遠鏡から見える情報で、「1000票を越えた!」との電話が入った時点で、「ホット、胸をなでおろした!」
何回やっても選挙は嫌なもので、特に私の16年来の友人が、500票近くも票を落として落選となった。残念で仕方がない。それにしても500票とは???
何時、電話していいのか分からなかったが、先方から、「おめでとう!」との元気な声を貰って、言葉に詰った!選挙は一寸先は闇で、特に今回の選挙では、「間違いなく当選!と言う候補者が落選!間違いなく落選と言う候補者が当選!」と言ったことが何人かあって驚いた。
私の、今回の立候補は「後を継いでもらう人を探すための、つなぎの立候補と言って良い。」改選前は議長や予算委員長、今回の選挙の大きな争点になった「4年制大学の検討委員会委員長」等もやり、会派の幹事長として全く時間がなかった。今期は全ての役職を降り、しっかり後進に成長してもらいたい。議会ではそんなスタンスで臨むつもりでいる。決して、怠けることなく、今の議員の成長を見守るもの私の仕事と考えているからだ。
何回も言ってきたが、「政策」と「財政」は自治体の車の両輪である。どちらが先に進んでもいけない。そのバランスを保ちながら自治体運営に当たってもらいたい。
今の、福知山市を見るとき、予算規模が大きすぎる。確かに、健全財政なら多少の規模の大きさは許されるだろう。確かに、大型予算は行政サービスをハードにしろ、ソフトにしろ充実したものにし、市民から見れば喜ばしいことに見えるかも知れない。しかし、身の丈にあったものでないと、継続性がない。昨年、一昨年と水害に見舞われ財政調整基金から10億円の取り崩しを行なった。今年の予算も2.5億円の基金を取り崩すなかで行なわれた。予算規模が多大になっている。これを繰り返していたら、後年度になって、ツケが回ってくる。予算規模を大きくすれば、必ず財源の内訳で、一般財源と起債がついて回る。補助金と地方交付税で全てが賄われる事業はない。つまり、大型予算を繰り返すことは、基金の取り崩しや、起債の償還といった経常経費の増大を招く。早く適正規模の予算に絞り込んで欲しい。
しかし、それは簡単なことではない。予算規模を拡大させるより縮小させることがどれ程困難なことか。執行部の方々が一番ご存知のはずである。
福知山市は平成31年から収支が赤字となる。中期財政見通しでは19億円の赤字の累積を予測しているが、積算の根底には「扶助費年率1.4%の上昇、投資的経費30億円」がある。全国の平均値は、扶助費3.7%の年上昇である。団塊世代が一気に高齢化にむかう時、年1.4%は低いと言い続けてきた。「1.4%でなく3%でないか?!」と言ったら。「3%は高すぎる!」とのいつもの回答だ。しかし、もし3%なら赤字の累積は19億円でなくて、一気に90億程度に膨らむ。それに公立大学問題に失敗すれば、福知山市は破綻の道を進むことになる。この4年間はしっかりこの見通しを確認することにある。さらに言えることは、行政には「セイフティーネット」がない。e-ふくちやま事業にもなかった!だから万一上手く事業が進まなかった場合、次策がない。民間なら、必ず事業に着手する前に「万一計画どおり進まない場合どうするか?」のセイフティーネットを張っている。当然のことだ!
e-ふくちやま事業も議会を2分した事業である。今回の公立大学も議会を大きく2分した案件である。いや、福知山市を2つに割った一大課題と言える。
私も、委員会では「大学はあった方が良い!しかし、事業を単独で、しかも何のセイフティーネット」も施さないで進めることは少々無謀な気がする。万一計画どおり進まなかった時の責任は誰にあるのか?「議会にある!」と執行部は言うだろう。
選挙の話に戻る。今回の個人演説会で、私はかねてよりパワーポイントを使って、これまでの私の活動や福知山市、地域での取組みを説明した。応援弁士も考えたが時間がない。私だけで、約1時間かかった。冒頭、議会の仕組みや市役所の仕組みを説明した。次に福知山市の中期財政見通しを分かりやすく、ビジュアルニ示した。公立大学に関する財政見通しもグラフを交えて説明した。その他もろもろで約1時間!!!!
しかし、見ていた方の感想は「アット言う間の1時間だった!」との言葉を頂き、胸を撫で下ろした。
「野田さん!普段からこのような議会・議員活動や自治体の様子を報告して欲しい!」と言われ、「申し訳ありません。今期は重要な役職には付かないで、報告会をしっかり地域でやります!」と約束した。資料の作成に2週間を要して、選挙間際に出来上がった。にわか細工の報告となったが、思ったより反応は良かった。
最後に「投票用紙の書き方」について説明したが、これも「知らなかった方が多かった」
「一番簡単な『のだ』で良いのですヨ」と言うと共に、決して「野田さん」とか「かつやすさん」等と書かない。また「野田 かつやす」と書いて、一字一字確認のチェックを入れる人があるが、これも無効票ですと説明した。「何だ、『のだ』だけでよかったのか?!」と言われる人が多かった。今回も400票以上の無効票があった。
楽しい、個人演説会ができて本当に良かったと思っている。末尾に、第二の「夕張市」にならないための財政シュミレーションを記載しておいた。参考にして頂きたい。

扶助費1.4%の上昇、投資的経費年30億円の場合の中期財政見通し

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扶助費3%、投資的経費50億円の場合の中期財政見通し
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200人の一学年定員を満たした場合の公立大学運営シュミレーション
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定員に対して60%120人の場合の公立大学運営シュミレーション
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